目次
中国のAI(LLM)8つを一目で比較
8社を同じ7項目で並べました(2026年10月時点)。オープンウェイトは、モデルの重みが公開され自分の環境で動かせるもの。APIは、自社のツールから呼び出す有料の窓口です。
DeepSeek
DeepSeek(中国・杭州)
- チャット:Web・アプリ。無料
- 海外からのAPI:あり。OpenAI・Anthropic互換
- オープンウェイト:V4.1-FlashほかMITライセンス
- 手元のPC:R1の小型版など旧世代は可。最新はOllamaではcloud
- データの処理場所:中国のサーバーに保存と案内
- 日本語:公式の記載なし。実際には日本語で入出力できる
- 公的機関の動き:日本の個人情報保護委員会と政府(デジタル社会推進会議幹事会)が注意喚起。海外でも制限
Qwen(通義千問)
Alibabaグループ(中国・杭州)
- チャット:Qwen Chat・アプリ。無料
- 海外からのAPI:Model Studio。東京などのリージョンを選べる
- オープンウェイト:Qwen3.8-27BはApache 2.0。最大級は独自ライセンス
- 手元のPC:可。qwen3.8(27B)は約18GB
- データの処理場所:Qwen Chatはシンガポールで処理と案内。APIは東京も選べる
- 日本語:日本語を含む119の言語・方言をうたう(Qwen3世代)
- 公的機関の動き:台湾当局が中国製AIアプリの検査で対象に(報道)
Kimi
Moonshot AI(中国・北京)
- チャット:kimi.com・アプリ。無料枠と有料会員
- 海外からのAPI:あり(シンガポール法人)。OpenAI・Anthropic互換
- オープンウェイト:Kimi K3は独自ライセンス(売上規模などの条件つき)
- 手元のPC:不可。Ollamaではcloudのみ
- データの処理場所:中国向けアプリは中国、APIはシンガポール
- 日本語:公式の記載なし
- 公的機関の動き:名指しの措置は確認できず
GLM(Z.ai)
Zhipu AI(中国・北京)
- チャット:chat.z.ai。無料
- 海外からのAPI:Z.ai(シンガポール法人)。Anthropic互換、GLM Coding Plan
- オープンウェイト:GLM-5.3は独自ライセンス、GLM-5.3-FlashはMIT
- 手元のPC:glm-4.7-flash(約19GB)は可。最新はcloud
- データの処理場所:海外向けは原則シンガポールで処理と案内
- 日本語:公式の記載なし(英語・中国語)
- 公的機関の動き:米商務省の輸出規制リストに掲載(2025年1月、報道)
MiniMax
MiniMax(中国・上海)
- チャット:MiniMax Code(旧MiniMax Agent)などのアプリ
- 海外からのAPI:あり。Anthropic互換を推奨、OpenAI互換も
- オープンウェイト:MiniMax-M3は独自ライセンス(商用は表示・通知などの条件)
- 手元のPC:個人のPC向けではない。Ollamaではcloud
- データの処理場所:海外向けアプリは原則シンガポールで処理と案内
- 日本語:公式の記載なし
- 公的機関の動き:名指しの措置は確認できず
Doubao(豆包)
ByteDance(中国・北京)
- チャット:中国向けの「豆包」
- 海外からのAPI:BytePlus ModelArk
- オープンウェイト:主力は非公開。Seed-OSS-36BはApache 2.0
- 手元のPC:Ollamaの公式ライブラリになし
- データの処理場所:公式で確認できず
- 日本語:公式の記載なし
- 公的機関の動き:台湾当局が中国製AIアプリの検査で対象に(報道)
Hy(旧Hunyuan)
Tencent(中国・深セン)
- チャット:中国向けの「元宝」
- 海外からのAPI:Tencent CloudのTokenHubで海外からも利用可
- オープンウェイト:Hy4 preview・Hy3はApache 2.0
- 手元のPC:Ollamaの公式ライブラリになし。GPUサーバー向け
- データの処理場所:公式で確認できず
- 日本語:公式の記載なし
- 公的機関の動き:台湾当局が中国製AIアプリの検査で対象に(元宝、報道)
ERNIE(文心一言)
Baidu(中国・北京)
- チャット:中国向けの「文心一言」
- 海外からのAPI:千帆(Qianfan)。中国市場向けが中心
- オープンウェイト:ERNIE 4.5系はApache 2.0。5.x系は非公開
- 手元のPC:Ollamaの公式ライブラリになし(コミュニティ版あり)
- データの処理場所:公式で確認できず
- 日本語:公式の記載なし
- 公的機関の動き:台湾当局が中国製AIアプリの検査で対象に(報道)
読み方:「公式で確認できず」は、公式の情報で確かめられなかったという意味で、存在しないという意味ではありません。料金は改定が多いため金額は載せず、公式ページへのリンクを下の一覧表にまとめています。
中国のAIの選び方:料金・ローカル・日本語・安全性の5つの軸
「どれが一番賢いか」は毎月入れ替わります。変わりにくい5つの軸で選ぶと迷いません。
- 1
APIの料金で選ぶ
単価が特に安いのはDeepSeek(V4.1-Flash)とMiniMax(M3)。DeepSeekは平日の日本時間10〜13時・15〜19時(中国の祝日を除く)が通常の2倍です。毎月コーディングで使うなら、GLM Coding Planのような定額も比べてください。
- 2
オープンウェイトで選ぶ
制約が少ないのはMIT(DeepSeek V4.1-Flash、GLM-5.3-Flash)とApache 2.0(Qwen3.8-27B、Hy4 preview・Hy3、ERNIE 4.5)。Kimi K3・GLM-5.3・MiniMax-M3は条件つきなので、商用ならライセンス本文を確認します。
- 3
ローカル(手元のPC)で選ぶ
現実的なのはQwen3.8-27B(約18GB)、GLM-4.7-Flash(約19GB)、DeepSeek-R1の小型版。各社の最新の主力は巨大で、Ollamaでもcloudタグ(外部のサーバーで実行)です。
- 4
日本語で選ぶ
日本語を公式に明記しているのはQwen(119の言語・方言)だけです。ほかも日本語で使える場面は多いものの公式の保証はないため、実際の業務文書で試して確かめます。
- 5
安全性:データの置き場所で選ぶ
同じ会社でも、入口によってデータの行き先と適用される国の法律が違います。データを一切外に出したくないなら、オープンウェイトを自社の環境で動かす方式だけが当てはまります。
中国のAIを比べたあと、こうなっていませんか
比較も試作も、安いAIで一瞬で終わった。それでも、そのあとに起きていること。
比較はきれいにまとまった。でも試す担当と期限は、会議の中で消えた。
毎月新しいモデルが出る。どれを採用し何が決まったかは、チャットに埋もれた。
データの扱いを情シスに確かめるはずが、依頼したかどうかも曖昧に。
答えを出すのは、どのAIでも一瞬で終わる。仕事が進むかどうかは、答えのあとで決まっています。
本当は、こうしたかった:AIの答えのあと
同じ会議。同じAI。答えが出た瞬間に、こうなっていてほしかった。
調査と下書きはいつものAIのまま。決まったことと担当・期限は、もう並んでいる。
確認待ち・期限間近の仕事を、次の会議の前にSIMYが先に知らせてくれる。
採用した結論と次の行動が、モデルやチャットをまたいで1つに残っている。
「どのモデルで試すか」。戻ってくるのはその一問だけ。
これは、SIMYに会議とチャットをつないだ次の会議から起きることです。中国のAIは、得意な仕事にそのまま使えます。
中国のAIの答えは、ここで止まる
どのモデルも、得意なのは「頼まれたことに答える」まで。その先は、誰も拾っていません。
- 質問あなたが頼む
- 調査・翻訳安く速く
- 下書き・コード大量に
- 担当と期限
- 報告
- 社内共有
- 次回までの確認
※ 流れは説明用のイメージです
チャットでも、APIでも、ローカルでも、同じところで止まります。モデルを替えても、「頼む」のは毎回あなたで、終わったかを見に行くのもあなたです。
SIMYがつなぐ。AIはそのまま、答えのあとを任せる
空白だった4つを、SIMYが埋めます。あなたに戻るのは、判断の1マスだけ。
- 質問
- 調査・翻訳
- 下書き・コード
- 担当と期限会議から拾う
- 報告Gmailに下書きまで
- 社内共有承認したら投稿
- 判断1問だけ戻る
※ 流れは説明用のイメージです
- 会議・チャットから拾う
- あなたのやり方で
- 判断だけ返す
SIMYは、会議の記録やチャットから「そのあとの仕事」を自分で見つけます。あなたが繰り返している手順と確認事項を会話から学び、同じやり方で進め、終わったかをMy Actionsに並べます。
- SIMYに登録し、ChatGPT(Codex)を接続するSIMYのクラウド実行は、お使いのChatGPTアカウントで動きます。Codexの利用は、お使いのChatGPTプランの範囲です。
- SIMYデスクトップアプリを入れるPC上のClaude Codeを、SIMYの実行役にできます。Claude CodeやCodexの会話から、繰り返している仕事を「SIMYからの提案」にします。会話本文はサーバーに保存しません。 ダウンロードはこちら
- 会議の記録をつなぐ連携画面でPlaudやNotionを接続します。会議の記録が、SIMYが仕事を拾う起点になります。
※ SIMYの画面のイメージです
SIMYと中国のAIの関係:現時点では、SIMYはこのページで紹介したLLMには接続しません。SIMY自身は、お使いのChatGPT(Codex)アカウントと、SIMYデスクトップアプリ経由でPC上のClaude Codeで動きます。調査・翻訳・下書きは各モデルにそのまま任せ、会議で決まったことの段取りをSIMYが受け持ちます。
会議1件で比較:AIの比較メモと、SIMYが仕上げる次の一手
社内で試すAIを選ぶ50分の選定会を、AIで整理した場合のサンプルです。左がAIの比較メモ、右がSIMY。
- 候補
- APIの安さでDeepSeek、日本語と手元での実行でQwen、コーディングでGLM。
- 論点
- 社内データをどこまで送ってよいか。自社環境で動かす場合の費用。
- 宿題
- 情報システム部門への確認。同じ課題での試用と費用の試算。
- 期限
- 次回の選定会(10月20日)までに。
情シスへの確認:あなた・10/8。3モデルでの試用:開発・10/15。費用の試算:企画・10/17。
試したいモデル、送る予定のデータの種類、各社のデータの処理場所を、あなたのいつもの文面で。Gmailに下書きとして保存。
「試用は公開情報だけで行います。結果は20日の選定会で。」承認したらチャットに投稿。
APIで試すか、自社環境で動かす方式にするか。判断が必要なところだけが、あなたに戻ってきます。
AIが比べ、SIMYが動かす。選ぶのは、あなたのままです。
業種別:中国のAIの使い方と、SIMYが出すもの
中国のAIで答えを出したあと、SIMYが何を用意するか。個人でもチームでも、型は同じです。
開発チーム Kimi・GLM:互換APIでコーディング
- 設計レビューの会議→決まった修正と担当の一覧
- コードを書いたあと→PCのClaude Codeで次の作業
- 週の終わり→進捗と判断待ちのまとめ
貿易・調達 Qwen:中国語の翻訳・要約
- 取引先との定例→担当と期限の一覧・返信の下書き
- 価格・納期の変更→社内共有の文面・判断の1問
- 回答期限の前→返事待ちの仕事のリマインド
マーケ・コンテンツ DeepSeek・MiniMax:安いAPIで量産
- 企画会議→採用した案と担当・締め切り
- 下書きのレビュー→修正点をまとめた依頼文
- 公開の前→確認待ちの一覧と判断の1問
情報システム・管理部門 AI利用ルールの検討
- AI利用ルールの会議→決まったルールと周知の担当
- 現場からの相談→回答の下書きと確認待ちの一覧
- 四半期の見直し→論点のまとめと判断の1問
はじめ方:AIはそのまま、3ステップ
- 中国のAIは、いつもどおり使う調査、翻訳、下書き、コード。チャットでも、APIでも、ローカルでも。入れる情報は会社のルールに合わせて。
- SIMYに登録し、ChatGPTをつなぐクラウド実行は、お使いのChatGPT(Codex)アカウントで動きます。Claude Codeを使っているなら、SIMYデスクトップアプリも入れます。つなぎ方は上のとおりです。
- 会議を1件、終える担当と期限、報告の下書き、共有の文面が届きます。決めて、送る。それだけです。
登録の流れ:プランを選ぶ → メールで本人確認 → カードで決済(無料プランはありません)。料金は料金ページ、PCで使うアプリはダウンロードページから。
AIの使い方は変わりません。SIMYは中国のAIを置き換えるものではなく、答えのあとの仕事を受け持つ別の仕組みです。
中国のAIとは:一覧表・ローカル実行・互換API・安全性と規制(詳しく知りたい人向け)
ここから下は、仕組みや注意点を確かめたいときに開いてください。モデル名と仕様は2026年10月時点の情報です。
中国のAIとは:なぜ安くて賢いのかオープンウェイトと価格競争が特徴
「中国のAI」は、中国の企業や研究機関が開発する大規模言語モデル(LLM)と、そのチャットサービスを指す言葉です。2025年1月のDeepSeek-R1の公開(いわゆるDeepSeekショック)をきっかけに、日本でも広く知られるようになりました。
3つの特徴
- オープンウェイトが多い:モデルの重みを公開し、誰でも自分の環境で動かせるようにしている会社が多くあります。ただしライセンスはMIT、Apache 2.0、条件つきの独自ライセンスが混在しています。
- APIが安い:質問ごとにモデルの一部だけを動かす仕組み(MoE、Mixture of Experts)などで計算を減らし、APIの単価を下げています。たとえばDeepSeek-V4.1-Flashは全体552Bのうち、推論時に動くのは8B〜16B分です。
- 入れ替わりが速い:2026年7〜9月だけで、Kimi K3、MiniMax-M3、GLM-5.3、DeepSeek-V4.1-Flash、Hy4 previewが出ました。モデル名より「役割」で覚えると追いかけやすくなります。
Claude CodeやCodexなどの開発ツールから使えるよう、互換のAPIを用意している会社も多くあります(下の「互換API」を参照)。
一覧表で比べる:8つの中国のAI上のカードと同じ内容を、表で横に並べたもの
表は横にスクロールできます →
| AI | 主なモデル | 最新のオープンウェイト | Ollamaで手元実行 | Anthropic互換API | 日本語の公式明記 |
|---|---|---|---|---|---|
| DeepSeek | V4.1-Flash、V4-Pro | あり(MIT) | 旧世代(R1など)のみ | あり | なし |
| Qwen | Qwen3.8-Max、Qwen3.8-27B | あり(27BはApache 2.0) | qwen3.8(27B) | Coding Plan経由 | あり(119の言語・方言) |
| Kimi | Kimi K3 | あり(独自ライセンス) | なし(cloudのみ) | あり | なし |
| GLM(Z.ai) | GLM-5.3、GLM-5.3-Flash | あり(5.3は独自、FlashはMIT) | glm-4.7-flash | あり | なし |
| MiniMax | MiniMax-M3 | あり(独自ライセンス) | なし(cloudのみ) | あり(推奨) | なし |
| Doubao | Doubao-Seed系 | 旧世代のみ(Apache 2.0) | なし | 公式で確認できず | なし |
| Hy(旧Hunyuan) | Hy4 preview、Hy3 | あり(Apache 2.0) | なし | 公式で確認できず | なし |
| ERNIE | ERNIE 5系 | 4.5系のみ(Apache 2.0) | なし(コミュニティ版あり) | 公式で確認できず | なし |
Ollamaにあっても、手元で動くとは限らない(cloudタグ)「Ollamaで使える=ローカル」ではない
Ollamaは、手元のPCでLLMを動かすための定番ツールです。ところが公式ライブラリには、手元ではなくOllamaのクラウドで動く「cloud」タグのモデルも並んでいます。2026年10月時点で、DeepSeek・Kimi・GLM・MiniMaxの最新の主力はcloudタグのみです。
表は横にスクロールできます →
| 区分 | Ollamaのモデル(例) | どこで動くか |
|---|---|---|
| 手元で動く | qwen3.8(27B、約18GB)、glm-4.7-flash(約19GB)、deepseek-r1の小型版(7Bは約4.7GB) | あなたのPCの中 |
| cloudのみ | deepseek-v4.1-flash、deepseek-v4-pro、kimi-k3、glm-5.3、minimax-m3 | Ollamaのクラウド(外部のサーバー) |
| ライブラリになし | Doubao-Seed系、Hy、ERNIEの最新版 | Hugging FaceからvLLMなどで自前のサーバーへ |
見分け方
- モデルのページを見る:Ollamaのライブラリで、タグ名やサイズの欄に「cloud」とあれば、手元では動きません。
- ダウンロードの大きさを見る:手元で動くモデルは、数GB〜数十GBのファイルをPCに取り込みます。取り込みがなく、すぐ使えるならcloudです。
- 目的に照らす:「データを外に出したくない」が目的なら、cloudタグのモデルは当てはまりません。
手元で動かす手順やメモリの目安は、Qwenをローカルで動かす方法(Ollama・LM Studio)にまとめています。
Anthropic互換・OpenAI互換API:Claude CodeやCodexから使える接続先を差し替えるだけ。ただしデータの行き先も変わる
多くの中国のAIは、OpenAIやAnthropicのAPIと同じ形で呼べる「互換API」を用意しています。Claude CodeやCodexなどの開発ツールの接続先を差し替えると、使うモデルだけを入れ替えられます。
表は横にスクロールできます →
| AI | Anthropic互換(Claude Codeなど) | OpenAI互換(Codexなど) |
|---|---|---|
| DeepSeek | https://api.deepseek.com/anthropic | https://api.deepseek.com。Responses API・Codexへの対応を公式が明記 |
| Kimi | https://api.moonshot.ai/anthropic | あり |
| GLM(Z.ai) | https://api.z.ai/api/anthropic。GLM Coding Planで定額 | あり |
| MiniMax | Anthropic SDK互換を推奨 | Chat Completions・Responses API互換 |
| Qwen | Coding Plan経由で各種ツールに対応 | Model StudioがOpenAI互換 |
使う前に確かめること
- コードも送られる:接続先を差し替えると、プロンプトだけでなく、ツールが読んだコードやファイルの中身もその会社のサーバーに送られます。
- 規程と契約:社内のソースコードを外部のAPIに送ってよいかは、勤務先の規程と取引先との契約で決まります。
- キーの管理:APIキーは環境変数で渡し、リポジトリにコミットしないでください。
SIMYとの関係:接続先の差し替えはClaude CodeやCodex側の設定で、SIMYが案内・サポートするものではありません。現時点では、SIMYはこのページで紹介したLLMには接続しません。
安全性とデータの扱い:日本の注意喚起と各国の動き禁止ではなく、リスクを踏まえた判断が求められている
入口ごとに、データの行き先が違う
- DeepSeek:アプリもAPIも、集めた情報は中国のサーバーに保存と案内。学習への利用は設定で拒否できます。
- Kimi:中国向けアプリは中国、APIはシンガポールのサーバーに保存と案内。
- Z.ai(GLM)・MiniMax:海外向けの窓口はシンガポールの法人が運営し、原則シンガポールで処理と案内(MiniMaxのAPIは米国のデータセンターとの記載もある)。
- Qwen:Qwen Chatはシンガポールで処理と案内。APIは東京などのリージョンを選べます。
- オープンウェイトを自社で動かす:データは自分の環境から出ません。
日本の当局の注意喚起
- 個人情報保護委員会(2025年2月3日、3月5日更新):DeepSeekについて、データが中国のサーバーに保存され、中国の法令が適用されることを示し、利用者に注意を呼びかけました。
- デジタル社会推進会議幹事会(2025年2月6日、報道):デジタル庁が事務局を務める会議の名義で、政府機関に向けて「DeepSeek等の生成AIの業務利用に関する注意喚起」を出しました。一律の禁止ではなく、リスクを踏まえて判断するよう求める内容です。
2026年10月時点で、日本の個人が中国のAIを使うことを一律に禁じる法律や命令は、私たちが調べた範囲では見当たりません。勤務先や取引先が独自の利用ルールを定めている場合は、そちらに従います。
海外の動き(報道)
- DeepSeek:イタリアの当局がアプリを利用できなくする措置、オーストラリアが政府端末での利用を禁止、韓国で新規ダウンロードの停止、ドイツの当局がアプリストアに削除を要請など(2025年)。
- Zhipu(GLM):2025年1月、米商務省の輸出規制リスト(エンティティリスト)に追加されました。
- 中国製AIアプリ全般:2025年11月、台湾の国家安全局がDeepSeek、豆包、文心一言、通義、元宝の検査結果を公表しました。
海外の動きは報道に基づく要約です。最新の状況は各国当局の発表を確認してください。SIMYでのデータの取り扱いは、セキュリティとプライバシーポリシーで公開しています。
個別のガイド:DeepSeek・Qwen・Kimi・GLM・MiniMax・Doubao使い方、API、ローカル実行、データの扱い
よくある質問
中国のAI(LLM)にはどんなものがありますか?
主なものは、DeepSeek、AlibabaグループのQwen、Moonshot AIのKimi、ZhipuのGLM(Z.ai)、MiniMax、ByteDanceのDoubao、TencentのHy(旧Hunyuan)、BaiduのERNIEです。2026年10月時点の違いは、このページの比較カードにまとめています。
中国のAIは無料で使えますか?
チャットは多くが無料で使えます。APIは従量課金で、オープンウェイトのモデルは自分の環境で動かせば利用料はかかりません。
中国のAIでAPIが一番安いのはどれですか?
2026年10月時点では、DeepSeek(V4.1-Flash)とMiniMax(M3)の単価が特に安い水準です。時間帯や入力の長さで単価が変わるため、各社の公式の料金ページで確認してください。
中国のAIは日本語に対応していますか?
日本語を公式に明記しているのはQwen(119の言語・方言)です。ほかのモデルも日本語で使える場面は多いものの、公式の保証はないため、業務文書で試して確かめてください。
中国のAIを自分のPCで動かせますか?
一部は動かせます。OllamaならQwen3.8-27B(約18GB)、GLM-4.7-Flash(約19GB)、DeepSeek-R1の小型版が現実的です。各社の最新の主力は大きすぎて、個人のPC向けではありません。
Ollamaにあるモデルは、すべて手元のPCで動きますか?
いいえ。cloudタグのモデルはOllamaのクラウドで動き、手元のPCでは動きません。2026年10月時点で、DeepSeek-V4.1-Flash、Kimi K3、GLM-5.3、MiniMax-M3はcloudタグのみです。
中国のAIをClaude CodeやCodexから使えますか?
使えます。DeepSeek、Kimi、GLM(Z.ai)、MiniMaxなどはAnthropic互換やOpenAI互換のAPIを用意しており、接続先を差し替えて使えます。その場合、ツールが読んだコードもその会社のサーバーに送られる点に注意してください。
中国のAIに入力したデータはどこに保存されますか?
会社と入口によって違います。DeepSeekは中国、Kimiは中国向けアプリが中国でAPIがシンガポール、Z.ai・MiniMaxの海外向けサービスとQwen Chatはシンガポールで処理すると案内しています。データを外に出したくないなら、オープンウェイトを自社の環境で動かす方式を選びます。
日本で中国のAIの利用は禁止されていますか?
一律に禁止する法律や命令は、2026年10月時点で私たちが調べた範囲では見当たりません。ただし個人情報保護委員会と政府のデジタル社会推進会議幹事会が2025年2月にDeepSeekなどについて注意喚起を出しており、リスクを踏まえて判断することが求められています。
中国のAIは安全ですか?
一律に安全とも危険とも言えず、どの入口を使い、データがどの国に保存されるかで判断します。消費者向けアプリに機密は入れず、学習への利用を止める設定を確認し、データを外に出したくない場合はオープンウェイトを自社の環境で動かします。
オープンウェイトなら、商用で自由に使えますか?
モデルによります。MITやApache 2.0のモデルは比較的自由ですが、Kimi K3、GLM-5.3、MiniMax-M3は売上規模や表示義務などの条件つきの独自ライセンスです。商用で使う前にライセンス本文を確認してください。
SIMYは中国のAIで動きますか?
いいえ。現時点では、SIMYはこのページの中国のAIには接続せず、お使いのChatGPT(Codex)アカウントと、SIMYデスクトップアプリ経由でPC上のClaude Codeで動きます。調査や下書きは中国のAIのまま使い、決まったことの段取りをSIMYに任せる、という分け方ができます。
AIで出した答えのあとの仕事は、毎回SIMYに頼む必要がありますか?
いいえ。SIMYは会議の記録やチャットから、決まったことと担当・期限を自分で拾います。あなたのやり方を会話から学び、判断が必要なところだけをあなたに返します。
参考情報
各社のモデル、ライセンス、APIの互換性、データの扱い、日本の当局の注意喚起は、次の公式情報で確認しました(確認日:2026年10月1日)。海外の動きは報道を参照しました。モデル名と仕様は頻繁に変わるため、最新の情報は各公式ページをご確認ください。
- DeepSeek API ドキュメント、DeepSeek プライバシーポリシー、DeepSeek-V4.1-Flash(Hugging Face)
- Qwen3.8-Max(Alibaba Cloud Model Studio)、Qwen3.8-27B(Hugging Face)
- Kimi K3(Hugging Face)、Kimi Open Platform プライバシーポリシー、Kimi のデータ利用
- GLM-5.3(Hugging Face)、Z.ai:Claude Codeでの利用、Z.ai プライバシーポリシー
- MiniMax-M3(Hugging Face)、MiniMax のローカル展開ガイド、MiniMax プライバシーポリシー
- ByteDance Seed(Hugging Face)
- Hy4 preview(Hugging Face)、Hy3 の海外提供(Tencent)
- Baidu ERNIE(Hugging Face)
- Ollama ライブラリ(DeepSeek)、glm-4.7-flash、qwen3.8
- DeepSeekに関する情報提供(個人情報保護委員会、2025年2月3日)、政府機関向け注意喚起の報道(INTERNET Watch)
- 各国のDeepSeekへの対応(Al Jazeera)、Zhipuのエンティティリスト追加(Bloomberg)、台湾国家安全局の検査(Focus Taiwan)